春の終わりの感情家

今夜新宿で一番にかっこいい男を見に行こう。
着いたらもう始まってて、
ちょうど私のすきな曲を歌い始めたら。
目をつぶった眉間にしわが寄ったり、
まっすぐ前を見る眼差しは鋭かった、かっこいい顔をしていた。
話をしていたかと思えばいきなり歌い始める。
穏やかのような予想外のような、
気持ちのよい空気の流れを作ってた。
ライブが終わった後、すこし話がしたいと思ったが、
やっと見つけた彼は女の人と話していた。
多分楽しそうに笑っていた。
から、
持っていった花を受け付けに預けて、
帰った。
帰りの埼京線のホームで酔った背広が赤い顔をにやにやさせて
近づいてきたので、早歩きで遠のいた。
電車の中で私は何故か失恋した気持ちよりもむなしく淋しかった。
ギターを持って歌う彼は本当にすてきだった、
私が初めて直感で発見して激しくあこがれていて、
出会う事も出来た人。
大切に接していくべきだと誓う。