感情的な眠り際

想像力を持って一個の素晴らしい領域に達した、
この不思議な一時にも現る夜明けという恐ろしき明るみを、
今度こそこの目でくっきりと見て知ってみたら、
朝へのこの畏怖は消滅するのかもしれない。
けど結局そうはしないでいつも急いで眠ろうとする。
みんな大嘘つきになって、
人間を酔わせてよ。
そんな事を考えながら浅い眠りに落ちる頃、
いじわるな光の欠片が
顔のあたりを眩しくする。

君に冷たい街

散歩兼ねて鎌倉は明月院にて紫陽花。
おばさまたちが多く皆うっとりとした表情で、
記念撮影をしたりして楽しそうなのを見た。
雨や雨の音が似合うこの紫陽花という花は繊細でロマンチックな存在がいい。
雨が降る夜になると
君に会いたい、
君に冷たい街は変わらずそこに在るままです
また会おう、
また一緒にキャットフードを食べよう、、

ロマンチックな雲行き

仕事をす。
めまぐるしく変わる気候の変化に頭をやられた、
なんだか二日がかりの一日というか一体

絶対に素直にならなければならない場面というのがあって、
私の中にあって、
それはもう会えなくなる人に対してと決まっている。
それが近づいている今、
どんな言葉でどんな風に話しても気持ちがどれだけ伝わるかは分からないから、
その瞬間まであまり考えない方がいい。
激しい直情の一瞬に任せてのさようなら、
したらいいですか。

蝶の瞳という華奢なかわい気

昼間。
新しい友達が出来た、
私はニ度目の『リアリズムの宿』を観に。
ニ度目は違う角度から新しい感覚で観ることが出来る。
そしてやっぱり長塚圭史の姿かたちはすてきだった。
映画館を出ると傘のいらない種類の雨が気持ちいい。
彼とはマンガや小説や音楽の話をして、
とても大きくうなずいた。
渋谷の交差点は信号待ち傘の大群で、
それらを記号として見ると人間がお茶目だった、
運命の動き方もこのように図のように。