とりあえずうなずいて呉れ

あんまり晴れているこんな火曜に若人、
どうだい外に出たまえという声を聞き、
昼下がり由比ガ浜へ行くも。
なんだ人が多く居てがっかりして即、退散、
こういう季節になるにつれて浜へは行かなくなる。
駅前の花屋でおじぎ草に散々おじぎさせて、
気の毒になり買って帰る。
戸塚の線路沿いを黙々歩いていると新に会い、
死んだような顔して、と笑われる。
夜だ、銀座へ出向く。
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長いあいだ淡い思いがそこに有って、
たびたび密やかなる哀しい展開になることがあった、
今晩もそうだ。
誰にも言わない、言えない、
もやもやした哀しい事態には幾度でも、
いつまでも慣れず、
そのたびに混乱してしまう。