吐瀉物に似た暮らし

六月あじさい花曇り、がいいのに、
続く快晴。
こんな陽気の日に一歩も外に出ないのは罪悪かも知れなくて、
からすの観察をしに行った。
強い日差しで何もかもが刺激的な明るみに晒されている場合、
開かないまぶたの影響で悪印象の顔つきがいやだ。
それ以外は順調に気持ちがよくて、
夜にはなかなか見えない細かいものをよーく見ておく。
蟻や蟻の巣や鳥の糞やさくらんぼが潰れたのや。
そのあとに見る人間は自分を含めなんと巨大で、
無神経な物体かしらと思うに至ってしまい、
会いたかった人もどうでもよくなり、
やがて思い出す事も無くなり。
奇妙なこと。